顧客概要
- 依頼者:K様(68歳・男性)
- 居住地:東京都港区
- 依頼内容:遺産整理業務(相続登記、銀行・証券会社等の相続手続き)
- 被相続人の特徴:自宅不動産、預金の他、投資活動に熱心で、複数の金融機関で取引を行っていたが、詳細は不明
ご依頼の経緯
K様は、提携先企業からの紹介により当事務所にご相談くださいました。被相続人が亡くなり、相続手続きを進めようとしたものの、「どこにどのような資産があるのか」が分からず、手続きの進め方に困っていらっしゃいました。
被相続人は生前、株式投資やFX、仮想通貨の取引をしていたものの、具体的にどの証券会社や仮想通貨取引所を利用していたのかが不明でした。預貯金や不動産の相続手続きであれば比較的スムーズに進められますが、投資資産の場合、金融機関ごとに異なる手続きが必要になります。
また、金融機関に問い合わせをするにも、どこに連絡すればよいのか手がかりがなく、相続手続きの前提となる「財産の全体像の把握」自体が大きな課題となっていました。
対応内容と工夫した点
当事務所では、相続財産の調査を徹底的に行い、手続きが円滑に進むよう以下の対応を実施しました。
1. 自宅に残された書類から取引先を推測し、調査を実施
K様のご自宅には、被相続人が生前に管理していたと思われる金融関係の書類が保管されていました。まずはそれらの書類を整理し、取引履歴のありそうな銀行や証券会社をリストアップ。その後、該当する金融機関へ順次連絡を取り、被相続人の口座や取引状況を確認しました。
2. 仮想通貨の調査は大手取引所から順に対応
仮想通貨に関しては、手がかりとなる書類が一切見つかりませんでした。そこで、国内の主要な仮想通貨取引所をリストアップし、一つずつ問い合わせを行いました。
3. 可能性のあるすべての金融機関に問い合わせを継続
証券会社やFX取引業者も複数利用していた可能性があったため、「証券保管振替機構」に被相続人名で照会をかけ、該当した多数の証券会社に問い合わせを行いました。K様は「生前、兄はよく投資の話をしていたが、どこで取引していたのか具体的には分からない」とおっしゃっており、照会結果に出てこなくても、少しでも取引の可能性のある金融機関にはすべて連絡を取りました。
結果
大規模な調査の結果、被相続人が取引していた可能性のある金融機関の多くでは、すでに取引が終了していることが判明しました。
- 証券会社・FX業者の多くは、生前に解約済み
- 仮想通貨取引所では、取引履歴が見つからなかった
- 実際に相続手続きを行う必要があったのは、一部の金融機関のみ
相続手続きそのものが必要だった金融機関はごくわずかでしたが、K様にとって「どこにどれだけの財産があるのか分からない」という不安を解消することができました。相続財産の全体像を明らかにすることで、「これ以上調査する必要がない」と確信を持てる状態になり、安心して手続きを進められるようになりました。
担当司法書士のコメント
今回のケースでは、被相続人が投資活動を広く行っていたため、相続財産の全体像を把握することが最大の課題でした。通常の相続手続きであれば、銀行や証券会社を特定するのは比較的容易ですが、今回はFXや仮想通貨といった金融商品が含まれており、調査に時間を要しました。
特に仮想通貨に関しては、手がかりとなる書類が一切なかったため、大手取引所から順番に確認するしか方法がありませんでした。このような場合、手続きの見通しが立つまでに時間がかかるため、可能な限り早めに専門家へ相談することが重要です。
今回の調査を通じて、K様が抱えていた「不明な財産があるかもしれない」という不安を払拭することができ、大変喜んでいただけたことは何よりの成果でした。
お客様の声
「とにかくどこにどれだけ財産があるのか分からず、不安でした。しかし、調査を徹底的に行っていただいたことで、財産の全体像を把握することができ、無事相続手続きを終えることができました。自分ではどうすることもできなかったので、本当に助かりました。」
相続財産の調査や相続手続きでお困りの方は、ぜひ当事務所へご相談ください。専門的な知識と経験を活かし、お客様の不安を解消しながら、スムーズに手続きを進めてまいります。