顧客概要
- 氏名(イニシャル):K様
- 年齢:71歳
- 性別:男性
- 住所:東京都渋谷区
- 家族構成:妻、長男、長女
ご依頼の経緯
K様は、持病を抱えるなかで、将来への備えとして遺言書の作成を検討されていました。最大の願いは「自分が亡くなった後、妻が不自由なく暮らしていけるようにすること」でしたが、長男とは長年音信不通で、相続の場面でスムーズに話が進まない懸念がありました。
一方で、長女は日頃からK様夫婦を支えてくれており、相続財産を受け取ることには消極的。K様としては、財産のすべてを妻に託し、長女には実務面でのサポートをお願いしたいと考えていました。
高齢の妻が相続手続きを自ら行うのは困難と予想されたため、当事務所では長女を遺言執行者に指定することを提案。さらに、重要な備えとして「予備的遺言」を加えるご提案もいたしました。
担当司法書士のコメント
K様のように、相続人との関係が一様でない場合、遺言の内容だけでなくその“執行体制”をどう整えるかが非常に重要です。K様のご希望を実現するために、以下のような対応を行いました。
まず、公正証書遺言として法的に確実な形で遺言を作成。遺言書には「すべての財産を妻に相続させる」ことを明記し、遺言の執行は信頼できる長女が担うように設定しました。
そして特に大切だったのが、「予備的遺言」の提案です。予備的遺言とは、第一の相続人(今回であれば奥様)がK様の死亡前あるいは直後に亡くなってしまった場合に備えた、次順位の相続人を指定する仕組みです。これにより、万が一の事態にも遺産の帰属先が明確となり、相続手続きの混乱を防ぐことができます。
K様ご夫妻の場合、高齢ということもあり、どちらが先に亡くなるか予測が難しい状況でした。そこで、「まずは妻に全財産を相続させ、万が一妻が先に他界していた場合は、次に誰に渡すのか」まで定めた遺言とすることで、安心感のある相続設計が可能となりました。
お客様の声
「長男とはずっと疎遠で、正直相続のときに何が起こるか不安でした。長女はずっとそばで支えてくれていたので、今後のことをお願いするのは長女しかいないと思っていました。司法書士の先生にご相談したことで、遺言書の内容をきちんと整理できただけでなく、もし妻が先に亡くなった場合のことまで考えてもらえて、とても安心しました。自分にできることをやりきったと思えるので、これからは気持ちが少し軽くなりそうです。」
渋谷区で遺言書作成をご検討中の方へ。家族構成や人間関係が複雑な場合こそ、早めの備えが重要です。ご自身の希望を形にし、家族が安心して手続きを進められるよう、専門家にご相談ください。