顧客概要
- イニシャル:S様
- 年齢・性別:60歳・男性
- 居住地:埼玉県志木市
- その他特徴:法人を経営(息子様も役員)
ご依頼の経緯
S様ご家族とは、以前よりご縁があり、当事務所にてお母様を委託者とした家族信託の組成をお手伝いしていました。
当初の信託契約では、S様が受託者となり、後継受託者には弟様が設定されていました。しかし、S様はもしご自身に何かあった場合、信託の管理・運営が滞るリスクを強く懸念されていました。
また、後継受託者に設定していた弟様も年齢が近く、未婚のため、将来的な信託継続に対する不安が完全には払拭できませんでした。
このような背景から、信託の安定性を確保するためのアフターフォローについて当事務所にご相談いただきました。
担当司法書士のコメント
S様のお悩みをお聞きし、信託を長期にわたって確実に運営できる体制を整える必要性を感じました。
そこで提案したのが、受託者を自然人(個人)から法人へ変更する方法です。
ちょうどS様が代表を務める法人があり、S様の息子様も役員として在籍していたため、この法人を新たな受託者とすることで、信託の安定性を図ることにしました。
法人受託者を設定するにあたっては、以下の工夫を施しました。
- 法人の事業目的を信託業法に抵触しないように変更
信託業務を適法に行えるよう、定款変更をサポートし、適切な事業目的を設定しました。 - 金融機関への丁寧な説明
既存の信託契約に基づき借入を行っていたため、法人が債務を引受ける手続きを踏む必要がありました。金融機関に対して、受託者変更に関する経緯と法的な影響を整理した説明書を作成し提出。スムーズに審査が進むよう事前調整を行いました。 - 必要書類の整備と迅速な登記手続き
契約上求められる受託者変更手続きを漏れなく整え、速やかに信託登記も変更登記を完了させました。
これらの取り組みにより、受託者変更と金融機関対応を円滑に進めることができました。
お客様メッセージ
S様からは、
「自分も弟も年齢を重ねていくなかで不安に思っていた信託の安定性という点を、きちんと解消していただきました。法人受託者への変更を提案してもらえて本当に良かったです。これで将来のことを安心して考えられます。」
というお言葉をいただきました。
長期にわたり続く家族信託においては、開始時の設計だけでなく、ライフステージの変化に応じたアフターフォローも極めて重要です。今後もS様のご家族の未来を共に考えるパートナーとして、しっかりとサポートを続けてまいります。