
廣木 涼
[相続終活のリアル]
相続専門の司法書士廣木涼です。
公正証書遺言とは、公証人の先生が作成してくれる遺言書のことです。作成には証人が2人必要となり、自筆証書遺言とは異なる特徴を持っています。公証人とは公証役場にいる方で、元裁判官や元検事、元弁護士などの法律の専門家がその役割を担っています。
公正証書遺言の作成には費用がかかります。その額は財産額によって異なり、また遺言書の枚数や財産を渡す人の人数などによっても変わってきます。具体的な金額としては、安い場合で3万円程度、財産が多い場合には30万円から40万円程度かかることもあります。費用には幅があるものの、数十万円は見ておいた方がよいでしょう。
公正証書遺言を作成する際は、公証人と証人2名が必要です。証人は家族以外の第三者である必要があります。私のような司法書士が証人となることや公証役場で証人を用意してもらうことが一般的です。
公正証書遺言を作りたいと思った場合、直接公証役場に行くこともできますが、あらかじめ専門家に相談してから進めることをお勧めします。理由は以下のとおりです:
私たち司法書士に相談いただいた場合は、まず何回か打ち合わせをして、相続税がかかるかどうかや遺留分の問題などを確認します。必要に応じて弁護士や税理士とも協力しながら、最適な遺言内容を考えていきます。
特に税金の問題は重要です。相続発生後にいきなり「数百万円の相続税を10ヶ月以内に払ってください」と言われても困りますよね。そうなると遺言者の思い通りにならない場合も出てきてしまいます。それぞれの専門分野の先生方に事前に相談することで、そういった問題を防ぐことができます。
私たちにご相談いただいた場合の公正証書遺言作成の流れは次のようになります:
なお、公証役場で証人を用意してもらう場合は証人への費用がかかります。
公正証書遺言は自筆証書遺言よりも費用はかかりますが、法的な確実性は高くなります。特に次のような方には公正証書遺言をお勧めします:
一方、まだ若くて「一応念のため」という場合は、自筆証書遺言でも良いかもしれません。ケースバイケースで最適な選択をすることが大切です。
次回は、自筆証書遺言と公正証書遺言が残された後、遺された人たちがどのように取り扱うのかについて詳しくお話しします。
相続、終活に関する情報発信を通して、トラブルになる前に気を付けた方がいいことを皆さまに知ってもらい、ご自身やご家族が困らないような対策をするきっかけになってもらえればと思っています。
廣木
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