顧客概要
- 法人名:H社(中小企業)
- 担当者:N様
- 所在地:栃木県小山市
- 業種:製造業
- 依頼内容:株式集約の支援、定款整備、商業登記
ご依頼の経緯
H社様では、創業以来の親族株主によって株式が分散しており、その数は20名以上に及んでいました。事業承継や経営権の集中を見据えるなかで、株式の集約が大きな課題となっていました。
株式の譲渡や買取に進む前段階として、まずは制度面での整備が急務であると認識されたN様が、知人からの紹介を通じて当事務所にご相談いただきました。ご依頼のポイントは、将来的な株式の集約が円滑に進められる法的基盤を構築することでした。
担当司法書士のコメント
株式が多数の株主に分散している場合、企業の意思決定が困難になり、事業承継時に混乱を招く恐れがあります。H社様の場合、株式集約のハードルを下げるための環境整備として、まずは定款の見直しをご提案しました。
この定款整備の中には、株券の廃止や取締役会の廃止といった重要な変更も含まれており、これにより物理的な株式管理の煩雑さや、意思決定プロセスの硬直性を解消することができました。
このプロセスでは、法的な要件の整合だけでなく、各株主の感情や立場への配慮が極めて重要です。私たちは、株主に対する説明文書の作成から、株主総会での議案構成まで丁寧にサポートし、公平性・透明性を確保しながら進めました。
具体的に行ったこと
- 登記簿と定款の精査を通じた現状把握
- 株式集約を見据えたスキームの提案と関係整理
- 株券の廃止および取締役会の廃止を含む定款変更の実施
- 株式譲渡制限の承認機関など、譲渡手続きの簡素化に関する条項の見直し
- 株主総会の開催支援(議案作成、招集通知、運営補助)
- 商業登記の申請(定款変更反映)
解決の結果
- 株券廃止により、株式管理と譲渡手続きのハードルが低下
- 取締役会の廃止により、迅速で柔軟な意思決定が可能な体制を構築
- 株式譲渡制限の簡素化で、今後の株式取得・整理がスムーズに進む体制を確保
- 株主総会での丁寧な説明と準備により、全議案が承認され、株主の理解を得られた
- 経営権の明確化に向けた第一歩を踏み出し、今後の株式集約ステップが明確になった
お客様メッセージ
「株式が分散していることに長年悩んでいましたが、何から手を付ければ良いか分からず放置してきました。今回、税理士の先生とも連携して対応していただいたことで、税務・法務の両面から不安がなくなりました。今後の株式集約の進め方についても、しっかり道筋を示していただけて感謝しています。」