顧客概要
K様ご夫婦(被相続人)/70代/自営業(不動産賃貸業含む)/配偶者あり・子供3人(家族関係は良好)/総資産:3億円(不動産[貸付事業]1億5,000万円・不動産[住居]2,000万円・金融資産[預貯金]1億円、[有価証券・保険等]3,000万円)
ご相談の背景・経緯
K様ご夫婦(ともに70代)は、これからの生活について一度きちんと整理しておきたいと考え、当事務所の相談に来られました。
不動産賃料や事業収入がある一方で出費も多く、今後の生活や将来に対して漠然とした不安を抱えておられました。
ご相談のきっかけとなったのは、「子どもや孫たちのためにできることはしてあげたいが、その一方で、自分たちの老後資金が本当に足りるのか分からない」というお悩みでした。これまでも子どもの進学や住宅取得など、必要な場面で支援をしてこられましたが、「これから先も同じように援助を続けてよいのか」「医療費や介護費用がどれくらいかかるのか分からない」と、今後の見通しに迷いが生じていました。
専門家のポイント解説
本件は、相続対策や遺言の作成が入り口ではなく、これからの老後資金への不安が出発点でした。当事務所では、老後の不安を一つずつ紐解き、安心できる見通しを持つために以下のステップで整理を行いました。
1. ライフプランを通じた現状の整理と方針の共有
まずはご夫婦の現在の収支、年金、預貯金、不動産の状況を整理し、今後の生活資金の見通しを確認しました。その結果、日常の生活費に問題はないものの、想定以上に医療・介護費がかかった場合やどちらかが先に亡くなった場合には資金面に不安が残る可能性が見えてきました。
この整理を通じて、「子どもへの援助は無理のない範囲で行い、まずは自分たちの生活を守ることを大前提とする」という考え方をご夫婦で共有することができました。
2. 目的を明確にした保険の見直し
医療費や介護費用への備えとして、加入中の保険を確認しました。すると、現役時代のまま内容が変わっていないものや、お付き合いで加入したままの保険があり、現在の生活状況に合っていないことが分かりました。
そこで、今後の生活に必要なリスクを補う保険(保障)と、10年後の老後資金を見据えた運用(貯蓄)の2本柱に絞って保険を整理・見直しを行いました。
3. 想いを形にする遺言書の作成
生活全体の資金の流れを整理する中で、「もしどちらかが先に亡くなった場合、残された妻(夫)や子どもたちが手続きで困らないだろうか」という話題が出ました。
子どもへの過去の援助状況(特別受益など)を踏まえ、残された配偶者が安心して生活を続けられること、そして子どもたちが迷わず納得して相続手続きを進められるよう、方向性を示す遺言書を作成することになりました。
すべてを今細かく決め切るというよりも、生活全体を整理した結果として、保険や遺言を将来への備えの一部として無理のない形で取り入れることができた事例です。
お客様の声
子どもたちが家を建てる時などに援助をしてきましたが、自分たちも年齢を重ね、「このままお金を使ってしまって、万が一介護が必要になった時に夫婦の生活は大丈夫だろうか」と少しずつ不安を感じるようになりました。
専門家の方に家計の状況をすべて見てもらい、将来のライフプラン表を作ってもらったことで、「ここまでなら子どもを援助しても大丈夫」「ここからは自分たちのために残しておくべき」という線引きがはっきりと分かり、とても安心しました。
また、昔入ったままになっていた無駄な保険を見直すことができ、その流れで残された家族が揉めないための遺言書まで準備することができました。最初は漠然としたお金の不安から相談に行きましたが、これからの夫婦の生活から相続の道筋まで、すべてがすっきりと整理できて感謝しています。